うつ病の人に「頑張れ」と励ますのはNG!
「うつ病」にかかる人は年々増加しており、平成29年にはなんと400万人がうつ病患者として報告されています。
うつ病の危険信号、家族や周りの人々はどうあるべきか解説します。
「うつ病」とはそもそも何?
うつ病は内因性の精神障害の一つであり、症状としては眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといったことが見られます。うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまいます。そのため普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという、悪循環が起きてきます。
うつ病のサイン・症状
うつ病になった本人はネガティブな思考に陥ってしまっているので、なかなか自分がうつ病であることを認めないケースは多いそうです。うつ病は薬を飲んで適切な治療を受ければ治すことは可能でありますが、本人がふさぎ込んでしまい重症化、最悪の場合自殺に至るケースも少なくないのです。
なので、大事なことは家族や友人、同僚など周囲の人が早い段階で気づいてあげることではないのでしょうか。
周りから見てわかるうつ病サインを紹介したいと思います。(厚生労働省HPより引用)
うつ病では、自分が感じる気分の変化だけでなく、周囲からみてわかる変化もあります。周りの人が「いつもと違う」こんな変化に気づいたら、もしかしたら本人はうつ状態で苦しんでいるのかもしれません。
- 表情が暗い
- 涙もろくなった
- 反応が遅い
- 落ち着かない
- 飲酒量が増える
これはあくまで目安でありますので、「最近なんかへんだな、、」と感じるのであれば早めに受診を促すことをお勧めします。私も友人でうつ病になった人がいましたが、放っておくとどんどん性格が歪んでいくのがわかります。まるで別人でした。
うつ病になるきっかけ
うつ病になる人は、几帳面で徹底的にやらないと気が済まないタイプの人が多いようです。このような人の落とし穴は、環境の変化に柔軟に対応できにくいという傾向があります。
きっかけとしては近親者との死別、退職、家の転居などがあります。時には昇進や子供の結婚などのようにおめでたいことも誘引となりうることがあります。
「頑張れ」と励ましてはいけない
抑うつ気分が高度になると、妄想的な考えが表れてくることがあります。
中でも、罪業妄想、貧困妄想、心気妄想の三つはうつ病の三大妄想と呼ばれる。
罪業妄想~自分の行為や内面的な心の動きに罪悪感をもち、自分自身を責める妄想。
貧困妄想~金銭面での必要以上の心配。お金に困っていないのに「破産ししまう」、「生活できない」という妄想にとらわれる
心気妄想~身体の器質的な疾患がある場合に、その疾患を執拗かつ過剰に軽視したり、あるいは疾患がないにもかかわらず、疾患があると執拗かつ過剰に思い込む状態。
要するに、うつ病においてはあらゆることがあとの祭りであり、もう決して取り返しがつかないと思い込んでしまうのである。そして何か問題が起こると何もかも自分の責任として背負い込んでしまいがちである。
うつ病に人に「頑張れ」と励ますべきではないのは、こうした負い目や責任感を刺激してしまうためである。
幸い、医学の進歩により、今やうつ病は確実に治療することが可能になった。
ただし、自殺の危険性が高い病気であるだけに、異変に気付いたら周囲は専門に相談をすることを望む。一人でも救える命を。